
組織情報
設立趣旨
近年、中国、韓国等の近隣諸国では所得増加等により木造建築が増加する可能性が高まっており、また内装材としての需要は、今後とも底堅い伸びがあると考えられます。 これらの国々においては、国内の木材資源が生育過程にあるので、わが国特有のスギ、ヒノキを用いた木造住宅の住み良さをアピールするなどの、市場開拓活動を手がけることには、大きな意味があります。
すでに一部の県や企業において、丸太のみならず、木造住宅部材(内装材等)の輸出に取り組むなど積極的な動きがあるので、これらの機運をさらに支援して、木材輸入大国から国産材の輸出も手がける日本へ転換を目指す時期がきています。
米国、カナダ、ニュージーランドなどの木材輸出国は、これまで官民が一体となってアジア諸国における市場調査を実施しています。しかし、日本は輸出相手国の情報やノウハウの蓄積が浅いため、木材輸出に関心をもつ企業が、積極的な市場開拓に踏み出せない要因となっています。
わが国からの木材輸出をビジネスベースで実現させるためには、中国、韓国等における木材利用の実態、流通形態、ビジネス慣行、住文化、消費者ニーズなどを把握することが不可欠ですが、これらの調査を一企業、一団体で実施することは、財政的にも技術的にも負担が大きくなります。このため木材(国産材)の輸出に関心のある地方自治体、団体、企業等を全国的な視点で支援する専門の組織が必要と考えられることから、これらの団体、企業等を会員とする協会を設立し、会員による取引実現に向けての条件整備を行います。 当会は平成16年3月30日に、日本木材輸出振興協議会として設立し、会長には安藤直人(東京大学名誉教授)が就任しました。
組織概要
日本木材輸出振興協会は、林業事業体、製材等の製造業者、流通業者、輸出商社、森林・木材関係の全国業界組織、自治体等で構成される協議会。
団体名 | 一般社団法人 日本木材輸出振興協会 |
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設立年月日 | 平成23年1月26日 (前身は平成16年3月に設立された日本木材輸出振興協議会) |
目的 | 国産材(国内で生産された丸太、加工品及び木造住宅部材等)の輸出を振興することを目的とする。 |
会長 | 山田 壽夫 |
副会長 | 井上 篤博 富山 洋 渕上 和之 本郷浩二 |
専務理事 | 𠮷野 示右 |
理事 | 19名 |
監事 | 2名 |
事業 |
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電話番号 | 03-5844-6275 |
FAX | 03-3816-5062 |
所在地 | 〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル4階 |
取り組み・実績等
当協会は設立以来、環境保全等の森林のもつ公益的機能の高度発揮、地域資源の有効な利活用、地域経済や森林・林業の活性化などに寄与する国産材(国内で生産された素材、加工品及び木造住宅部材等)の、海外、特に中国、韓国を始め需要増加の大きな新興市場に対する輸出促進に取り組んできました。
そして、農林水産物等輸出促進全国協議会の下に設置された輸出戦略実行委員会の林産物部会での議論を経て策定された「林産物の輸出拡大方針」に基づき、当協会は、平成27年、ジャパン・ブランドの確立に向けた林産物分野の輸出の取りまとめ団体となりました。これを契機に、今後当協会は、農林水産省や林野庁、JETROによる各種支援措置を活用し、各自治体、関係団体、事業者等のより一層のご理解とご協力を頂き、連携をとりながら、国内における産地間等連携体制、輸出市場における現地連携体制の構築のほか、新たな輸出需要の開拓に向けた調査の実施、木造軸組住宅等のPR、輸出を巡る諸課題の対応等に努め、海外におけるジャパン・ブランドの確立、国産木材製品の輸出拡大に向けて、組織を挙げて取り組んでいます。さらに、2022年には農林水産物・食品の輸出に関する法律に基づく、製材及び合板を品目とする認定農林水産物・食品輸出促進団体に認定され、さらなる日本産木材製品輸出力強化のための取組みを実施しています。
業界関係共通の輸出に関する課題解決に向けた実証等
- 製材規格として国際的に幅広く利用されている米国構造材企画の日本産木材への適用を目指す取り組みを実施。
- スギ、ヒノキの2×4構造材の性能検証に取組み、設計強度の認可を米国製材規格委員会より取得。
- 米国建築関係展示会への出展等を通じ、スギ、ヒノキの性能や特徴の広報活動を実施。
- 環境面、コスト面から望ましい輸出木材用ラッピングシートを検討・試作。
海外等におけるジャパンブランドの確立
- 日本産木材製品の輸出ロゴマークを作成し商標登録するとともに普及を推進。
- ベトナムのジャパンウッドステーション(JWS)を拠点とし、展示会等を通じて日本産木材の利用促進活動を実施。
- 日本の木材製品と技術をPRするため、中国の上海市、大連市などに、会員企業等とともにモデル住宅を建設。日本産スギ、ヒノキ等による木造部材の高品質・高性能、軸組工法などをPR。
- 日本産木材製品の技術や品質をPRするためパンフレットや動画を作成。HPやSNSでPRするとともに展示会等で上映。
海外等における販路開拓活動
- 輸出重点国・地域(中国、米国、韓国、台湾)等の展示会に輸出に取り組む国内事業者と連携し、ジャパンパビリオンを出展。日本産木材製品の普及広報活動(安全性、健康性、快適性など)を訴求。会員企業の出展により、ビジネスチャンスを創出。
- 主に輸出重点国・地域において日本木材製品の利用促進を図るセミナーを開催し、日本産木材製品の特性や技術等を紹介。
- 主に輸出重点国・地域から木材輸入企業を日本に招聘し、製材品、内装材等の製造現場の視察や産地への案内、製品の説明、国内事業者との意見交換等を実施。また、国・地域ごとのセミナーや商談会を開催。
情報の収集・情報発信
- 海外の市場動向、流通状況、ニーズ、規格・規制の現状、主要企業状況等の調査・情報収集及び提供。
- 輸出に関する国内外の情報、特に輸出先国の市況情報などのとりまとめ及び配信。
- 輸出重点国(中国、韓国、台湾、米国等)における最新の木材市場情報を取りまとめウェブサイトから発信
- インド・インドネシア・オーストラリア等における木材市場調査を実施
- ポータルサイトやSNS等ウェブ媒体を活用して、利便性の高い方法で、会員及び関係者に最新情報を発信。
国内検討会の実施/輸出産地の育成
- 全国各地で、木材輸出に関する検討会を実施。都道府県や近隣の会員企業とともに、輸出促進に対する課題、現状などの情報を共有し、解決策などを探る
- 高付加価値製品の輸出拡大のため、川上から川下まで連携し、輸出に向けた合意形成や輸出事業計画を策定。
セミナー・技術研修会の実施
- 木材輸出の先進事例の紹介。中国、韓国など海外各地でも日本産木材の品質・性能や会員企業の取組みの紹介セミナーを開催。
- 日本産木材製品の利用技術や利用方法を説明のための技術研修会を実施し、取引の拡大や日本産木材の利用促進を図る。
- 日本産木材を使用した木造住宅等の輸出拡大に向けて技術者育成のため、木造軸組構法技術講習会を開催。
相手国ニーズへの対応に必要な業界統一規格等の策定・普及等
- 輸出先国の規格・基準等に対応した製品開発や性能検査・実証を行い、高付加価値製品の輸出拡大を図る。
- 製材及び保存処理木材の輸出に資する既存規格をガイドラインとして取りまとめ、公開。
- 日本産木材製品の輸出拡大を目指し、海外行政担当者や業界関係団体と連携。
- 日本産木材製品の輸出表示制度の制定、保存処理木材輸出標準作成、製品輸出ラッピング課題解決に向けた取組み。
- 中国の「木構造設計規範国家標準」の改訂に参画(平成28年に日本のスギ、ヒノキ、カラマツが構造材として採用された)。
入会のご案内
当協会では、全国の地方自治体、木材関係業界等の皆様にも幅広くご参画頂き、オールジャパンでの輸出促進に向けて関係者が一丸となって取り組んでいく必要があると考えております。皆様におかれましては、当協会の設立趣旨や取り組み、会員特典等をご覧頂き、是非ともご加入くださいますようご案内申し上げます。